船出〜風の波間に〜



語れるものの何も持たずに ぼくはひたすら歩いてきました
名前も知らぬ野の花のように ぼくはひっそり咲いてきました
漕ぎ出す船を待っていたのは 風の冷たさ 波の激しさ
震える足で だけど確かに ぼくの船出は 今 始まった
風に吹かれてぼくは漂う 君にはぼくが見えるだろうか
風の波間にぼくは紡ぐよ 君に繋がる糸を紡ぐよ


思いがけない嵐の前で ぼくはあまりに小さな船だ
風の強さにとまどうばかり 波の高さにたじろぐばかり
幼き船はそれでも走る 風を波を信じて走る
涙を越えて怖れを越えて ぼくの船路はまだ終わらない
風に吹かれてぼくは応える かけがえのない一人だろうか
風の波間にぼくは綴るよ 君に伝えるうたを綴るよ


風に吹かれてぼくは漂う 君にはぼくが見えるだろうか
風の波間にぼくは紡ぐよ 君に繋がる糸を紡ぐよ
風の波間にぼくは紡ぐよ 君に繋がる糸を紡ぐよ
君に繋がる糸を紡ぐよ