うしろの正面



ひと雨ふた雨 夏は過ぎゆき
はかなく消えるは蝉時雨
かすかに聞こえしあれは鈴虫
遠く流るるは天の川
  星降る夜に願うはただひとつ
  伝えておくれ この切なさを
うしろの正面 「好き」とは言えず
アカルい冗句がなお哀し


はしゃいだ川縁 打ち上げ花火
最後に残るは静けさや
あの子が恋しや はないちもんめ
一途な心は童歌
  眠れぬ夜はただ君を想う
  答はとうに分かっていても
うしろの正面 「好き」とは言えず
アカルい冗句がなお哀し


  星降る夜に願うはただひとつ
  伝えておくれ この切なさを
うしろの正面 「好き」とは言えず
アカルい冗句がなお哀し